ひろみち日記詳細
中国事情調査団報告B
(株)静岡銀行上海駐在員事務所との懇談
21日 午前 上海ホテルオークラにて上海静岡県人会事務局もしておられる(株)静岡銀行上海駐在員事務所主席代表所長岩ア孝行氏と代表朝倉斉彦と懇談をいたしました。
まず、主席代表岩ア氏から上海市の沿革と経済概況の説明があり、その後静岡県内企業の動向、その後質疑となりました。
上海市の沿革としては、1863年アヘン戦争後に終結された南京条約により対外貿易として開港、欧米列強の公使館が設置され貿易港として発展。1845年に英国が租界を設定、列強諸国がこれにならう。列強の中国進出拠点としての役割を担う半面、東アジアの金融、貿易センターとしての地位を確立し中国最大の商工業都市となる。中華人民共和国成立後、最大の海港としての地位は維持、文化、商工業、科学技術の中心的一定の役割は果たすが、50年以後地盤の低下が顕在化していたが、1990年に浦東地区開発が国家プロジェクトとして開始され急速に発展している。
日々、上海市の状況、高速道路、地下鉄の拡張工事、各インフラ整備の進捗具合等、大きく目に見える発展がある。
現状の政府体制の問題もあるが、一党独裁の中国に於いてこれからは居住権利が確立されたため今までのように開発の進み方は速くできないかもしれないが、今までは短期間に進めることができていることで、この10年で大きく変貌している。
経済においても、リーマンショック後 世界では上海が一人勝ちしている。自動車の生産年間1300万台超えて世界第1位、本年もすでに1000万台超えて、年間生産台数1700万台を超える勢いがある。所得水準があがったことや、補助金制度の充実が後押しし、自動車をもてなかった世帯が所有できるようになった。環境問題より、今は自動車を所有したいという願望が大きくなっている面も見逃せない、とのこと。上海市の不動産価格も高騰している。
撤退している企業はないのかの質問に対して、工場閉鎖1社、事務所閉鎖1社あるが、ほとんどの企業は存続また新規に進出をしている。また、年間1万人も訪日企画しているのだから、ホテルを買収し、その拠点とするなど中国人の日本企業買収の動きが各産業におこっているとのこと。
駐在事務所に進出企業が相談してくる内容のほとんどは、人間関係に関すること。長い厳しい歴史をもつ上海において深い感情を理解するのは難問であるとも述べていました。
製造業中心工場進出が上海市には多かったが、リーマンショック以後は販売拠点、駐在員事務所など2,3次産業での進出が多くなってきているのが現状。製造業は中国内陸部への進出を考えていたり、東アジア中国以外の国(ベトナム等)への進出計画となっている。上海市産業の発展による人件費の高騰が、大きな要因である。
静岡県内企業進出も製造業から、販売拠点としての進出がめだっているとのこと。静岡市くつのやのプラスチック製造業の企業も新しい展開ソフトで大きく企業展開している。掛川の企業もサービスを販売することで、中国市場で大きく伸びている。
生産拠点がアジア諸国へ、また販売拠点が上海市へと成ってくる動向に日系企業の解体をも意味し又国内産業の全体の空洞化にもつながり、これから静岡県はもとより、日本国内の産業構造をどう考えていくのか、大きな課題、問題点でもあると山崎氏は指摘していました。今後の世界経済状況をしっかり見極める中、グローバルな視点から県内産業振興を探ることの重要性を再認識させられました。
update : 2010-08-22 22:41:32
by : 中野ひろみち後援会事務所