福井県は高速増速炉もんじゅ、はじめ原子炉が１４基あり原子力関連施設が日本一集積している地域で、又全国最大の電力供給地、日本の原子力発電量の約四分の一を供給しています。１１日は福井県の原子力を中心としたエネルギーの総合的な研究開発の拠点の福井県敦賀市の若狭湾エネルギー研究センターへ政務調査にきました。この施設はエネルギーに関する先端開発を実施し、その成果を地元産業に普及させること、地域貢献への貢献、国際的な研究機能の集積、人材育成への貢献を目指した施設です。特に地元産業へどのような研究成果の普及を考えているのかが政務調査の課題です。この施設は平成１０年に開業し、平成１２年には研究センターを特徴づけるシンクトロン(加速器)の運用を開始しました。研究センターには、放射線研究棟、一般研究棟、交流館、小ホールなどで構成されています。
まず、イオンビームによる品種改良の研究が進められています。イオンビームを照射することにより種子や花粉などの細胞や遺伝子に変化を与え新しい品種を生み出すもので、気候の変化に強い品種、害虫に強く多くの種子や実をつける品種など地域の農業生産に役立つ研究が進められていました。
またイオンビームによる新加工技術、金属などの照射物にイオンビームを当てると薄膜を作ったり新しい性質をもったりします。その特性を活用し地域産業の応用研究がされています。現在チタンやマグネシウム合金にイオンビームを放射して耐久性の高い眼鏡フレームを作る試みがなされています。
多目的加速器が、導入されており、この装置を活用して陽子線によるがん治療研究がなされています。陽子線は放射線の一種で、陽子線が体内に入って病巣部分に合わせてエネルギーがつよくなり治療効果が肝臓がんなどに有効とされています。又この治療は副作用が少ないといわれています。
又太陽光エネルギーの共同研究も新たに取り組んでいました。全国に四カ所しかない又世界でも極めて少ない研究施設で、その規模、その総合的研究には目をみはるものがありました。
update : 2010-05-11 10:07:25
by : 中野ひろみち後援会事務所
